メトロポリタン美術館のギフトショップが魅力的で、迷いに迷って、大したものも買えずに、時間になってしまいました。帰りはタクシーでホテルに戻りましたが、3:00を回ってしまいました。ニュージャージーにいる仕事のサプライヤーに、“今、戻りました”と電話を入れます。彼は、ホテルの電話は高いのでと、かけなおしてくれました。結局、彼の予定と私の滞在スケジュールが合わず、ミーティングの調整ができなかったので、電話会議となりました。
その後の予定はどうしようかなと、コンシェルジェに相談に行きます。まず、ホテルのスパのメニューを確認すると、「今、ホテルのスパはやっていないけど、隣の『EXHALE』が結構いいわよ」と薦めてくれました。せっかくなのでミュージカルを見たいと相談すると、「もうこの時間で今日の夜の公演だったら、直接ホールのチケット・ボックス・オフィスに行くか電話をして確認したほうが良い。ここで取ると値段が倍になる。」と教えてくれました。
ホテルの電話ボックスから、シアターに電話をしようと思っても、なかなかうまく電話がかけられません。例のプリペイドカードを使っても全然ダメ。ピン ナンバーをダイヤルしてくださいというのですが、どこに番号があるのかわかりません。日本のテレフォンカードのようなシンプルなものにすればいいのにと思いながら、急ぐので、仕方なく部屋の電話からかけることにしました。
まず、見たいのは「ザ カラー パープル」。アリス・ウォーカーのピュリツアー賞受賞作品。スピルバーグ監督、ウーピー・ゴールドバーグ主演の映画になった作品ですが、あのオプラ・ウインフレイが、出資をしてミュージカル化したものです。オプラも映画にはソフィア役で出演し、名演技を披露しました。
劇場に電話をするとボックス席がまだ空いているとのこと。ただし、直接劇場のチケットオフィスに買いに行かないとダメだというので、ちょっと、早め
に仕度をして出かけることにしました。しかし、あまり早すぎても時間がもったいないので、先に隣のスパへ行き、パンフレットをもらい、速攻で、ヤンキース・クラブ ショップへ行き、頼まれたTシャツを買います。帰りにデリでフルーツや飲料などを買っておきます。お茶のペットボトルがなかなかなくて、あっても水のように薄いか、ジュースが混ざっていたりします。伊藤園のものでさえなかなか薄くて。。。仕方ないですね。
この時間、ハウス・カーは出払っていたので、タクシーで劇場へ。「ザ カラー パープル」をやっているブロードウエイー・シアターの周りには長~い列ができており、ここぞとばかりにキメたファッションに身を包んだスタイルの良いアフリカン・アメリカンの人たちがチョーカッコ良く、それこそパーティーのようで、こちらも楽しくウキウキになってきます。前に行って、係りの人にチケットを買いにきたのですが、と言いかけたら「この列に並びなさい」と言われたので、列の後ろへ回ります。歩けど歩けど、長蛇の列で、やっと最後尾にたどり着きました。こんなにチケットを買う人が並んでいたら、席はないんじゃないかと不安になって前の人に聞いてみます。「こんなに多くの人が並んでいて、チケットがあるかどうか心配」。すると太った迫力あるオバサンは、「ちょっと、待って。」「あなたはチケット持ってないの?」とその前にいる人にも確認してから、「この列は、チケットを持っている人の列だよ。」と教えてくれました。「ありがとう!」
やっぱ、確認してよかった!急いで前に戻ると、ありました右手にボックスオフィス。並んでいたのは、2、3人でしたが、急に焦ってしまいました。ここまで来て、チケットがなかったら、どうしよう。
「最後のボックス席、116.56ドルがあるけど、どう」「いい。いい。買う。買う。」
とても良い席をゲットできました。
敬意を表して、パープルで決めてきました。劇場もシャンデリアが素敵です。会場では、その日の配役変更を含め、見どころを紹介する小冊子が無料で配布されます。その中には、他の劇場の作品紹介などもあって、あれこれ見たい人には大変便利です。
ブロードウェイでも、ラスベガスでもそうですが、アメリカのエンターテイメント界の人材の層の厚さを感じます。著名なハリウッド映画の俳優もすごい人はすごいですが、こういう舞台に、ものすごく上手な人がたくさんいます。
単なる美男美女のストーリーではないので、よくもまあ、こういう太ったオバサンの役でこんなに歌の上手な人もいるもんだとか、役が豊富だといろんなタイプの役者さんや年配の人も出番ができて、なかなかいいなと思います。こういう作品がないとそういう人の出番も少ないわけですからね。映画も舞台も内容も登場人物も豊かな作品をもっともっと作って欲しいと心から願います。
『ザ カラー パープル』、この作品でも歌の力を見せつけてくれました。英語ですが、発音もはっきりしているので、セリフも歌詞もまあまあ聞き取れます。もちろん、映画もみていますし、本もその昔に読んだことがありますので、それも助けになったと思います。この作品では、白人による黒人差別というよりも黒人間での男性による女性に対する理不尽な扱いが主なテーマになっています。その中で、耐えて、努力して強く生きていく女性が主役です。
オプラの問題意識も人種差別よりも女性の自立支援のほうにウエイトが大きいように思いました。それで、自費47億円も投じて、南アフリカに女子のための学校を作ったのもうなずけます。すごい人ですね。オプラ自身もかなりのエネルギーのある女性です。総資産1800億円と言われるほど稼げるオプラもすごい人ですが、そういうアメリカ社会というのもすごいと思います。
公演は素晴らしく、ノッケから、観客のストレートでハデなリアクションがあり、日本の鑑賞風土とは全く違います。フィナーレ間近のセリーの歌『I'm Here』では、I am beautiful という歌詞のところで、観客の歓声と拍手が一気に舞台を盛り上げます。最後は、全員総立ちでした。圧倒的な声、迫力ある歌のメッセージがビシバシと心を揺さぶります。何度も続くカーテンコールも余韻を十分に満たしてくれます。公演後は、グッズを買う人で売店の周りに人垣ができます。感動を持ち帰りたい衝動に駆られます。私もその中の一人でした。
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