ウイーン国立歌劇場 イオアン・ホーレンダー総監督来日記念ワークショップ
8日の朝、熱っぽいし、天気も悪そうで、ゴーゴー言っているし、午前中は休みにしてしまおうかとベッドにいる時に、ウイーンフィルなどのマネージメントをしているProf.ブックマンさんから電話がありました。そう言えば、日本に来るので、ミーティングをとメールをもらっていました。
「今晩、7:00からウイーン国立歌劇場の総監督、イオアン・ホレンダーさんのワークショップが浜離宮ホールであるので、来ないか。」とのお誘い。ちょっと億劫だったのですが、一応、行くことになってしまいました。
詳細もよく知らずに、悪天候の中、浜離宮ホールへ行きました。
ワークショップというよりも講演会のような感じで、主催が財団法人 ジェスク音楽文化振興会、協力:朝日新聞、昭和音楽大学舞台芸術センターオペラ研究所、東京のオペラのもり実行委員会となっており、タイトルは「音楽の都ウイーンと国立歌劇場のすべて」。
一部が基調講演、~ウィーン国立歌劇場140年の歴史、2部がウイーン国立歌劇場の今後。モデレーターは音楽評論家の奥田佳道さん。
昭和音大がずっと連続でやっているシンポジウムの流れを汲んだもののようで、なかなか興味深い内容でしたが、客席が多分、半分も埋まっていなかったと思います。入場無料のイベントなのに、ちょっとこれは、あまりにも寂しい感じでした。大変勿体ないことでありますが、わたし自身もブックマンさんから電話がなければ、このようなイベントがあることすら全く知りませんでした。
私が、イベントやコンサートなどを主催したりする場合でも、他の主催者や関係者も同様に苦労しているのが集客です。新聞に告知を掲載してもらったり、雑誌に載せてもらったりしても、その内容に興味のある観客や顧客がどこにいて、どこに情報を流せば届くのかが大変重要な問題です。
自治体など役所関係のイベントでは、広報誌などで案内し、会館にチラシをおくだけの場合も多く、終わってしまってから、「なんだ、そんな良いのやってたんだ。知らなかった。」と言われることもあります。つまり、届けたい方も、知りたい方も、結構マッチングができていないというか、それ相応のメディアもないのではないかと思います。もちろん、ぴあなどそれなりの専門の情報誌もありますが、これに出ているのは、結構お決まりのオーケストラや演奏家やホールがもっているコーナーだったりで。
観客の発掘は、大きな課題です。私のパーティーなどでは、結構10年以上やっている中でお客さんが固定化しているのと、ほとんど、口コミ情報で、多くの方々に来ていただいております。が、この方々にコンサートのご案内をしても、また、コンサートに関心があるのは、その中の20%くらいだったりしますし、講演会に興味がある人は、また、10%だったり。それから、平日の昼間に出かけられる人となるとまた、別のカテゴリーになってきます。結局は、そういう人脈や団体をどれほど取り込めるかということになってくるのかも知れません。企業もマーケテインングにお金をかけて細かなプロフィールごとに潜在的な顧客名簿を作るというのが重要になっています。
さて、セミナーの内容ですが、まず、総監督ホレンダーさんというのが興味深いバックグラウンドの持ち主です。ルーマニア生まれで蒸気機関学を学び、第一次国家試験に合格するも、政治的な理由でルーマニア国内の全ての大学から締め出され、その後、テニス・トレーナーや舞台演出家助手として働きます。その後、ウイーン国立音楽院で声楽を学び、オペラ歌手として数年活動した後、コンサート・エージェンシーに入り、その会社を自分の会社として獲得してから、88年ウイーン国立歌劇場とウイーン・フォルクスオーパーの事務総長に任命され、その後、オペラハウスの総裁となり今日に至るという感じですが、たくさんの名誉職や賞も受賞しています。
140年になる歴史あるウイーン国立歌劇場では、これまで、特にマーラーとカラヤンがこの劇場と音楽に貢献したということでした。今も年間240回のオペラ、50回のバレエを上演し、ほとんど毎日違う演目をやっていても、それほどリハーサルしなくともウイーン・フィルは毎日違うオペラを演奏できるそうです。また、こども向けのオペラもやっており、それは、大人は入れないそうですが、通常は学校の引率による校外学習のようなもので、入場料は3ユーロ。演目は2つで年間20回やっているとのことです。
また、モデレーターの奥田さんが「ホレンダーさんになってから、黒字になっているようです。」という説明の後に、ホレンダーさん本人がおっしゃたことは、「芸術は、質を追求して、お客様に喜んでもらおうとすれば、けっして儲かるものではなく、支出の方がどうしても多くなるもので、お金のかかるもの。」「でも、それが、必要であるという認識が大事」。
また、「文化政策なので、政治の中にも深く関わっている。」「指揮と歌手と演出がピッタリ合った時に素晴らしい傑作ができる」など、面白いコメントもたくさんありました。
| 固定リンク
コメント