NY滞在3日目-2-
早歩きでホテルまで戻ってくると、指定したロビーの椅子に、約束の人は座っていました。「失礼ですが、ディック グリフィンさんですか。」と声をかけます。「はじめまして」
ピッコロ・バイオリンのセドフさんの紹介で、初めて会います。グリフィンさんは、デューク・エリントン、カウント・ベーシー、アート・ブレーキーなどの伝説的なジャズマンからマイケル・ジャクソンなどとも共演している著名なトロンボーン奏者で、絵画も描くアーティストです。
それでは、行きましょうと、タクシーで彼の家に案内されます。つい先月、ベネズエラでTVに出演したビデオを見せてくれたり、彼の絵の作品を次から次へと見せてくれました。私もあまりにも面白い絵だったりするので、感想を言ったり、いろいろと
質問したので、会話が弾み彼も喜んでくれました。それは良かったのですが、実は、一緒にランチに行くはずだったのに、すっかりそのことは忘れ去られてしまったようでした。私がまた最初に作品の写真を撮ってしまったので、全ての作品の写真を撮らなくてはならない感じになってしまいました。これっていつまで続くんだろうと思いながら、私は3:00に次の予定があるので、
それまでにはホテルに戻らなくてはならないと切り出しました。頭の中では、ランチを一緒にしないのであれば、2:00には失礼しないとご飯を食べ損ねるなーと食事のことを心配していました。グリフィンさんは、帰りは車で送ってあげるから、ここを2:50分に出れば大丈夫だと言います。私は、いや、2時15分頃にはここを出ないと間に合いませんと告げると、彼は「OK!」。
しかし、彼は相変わらず、PCのサイトやいろんなものを私に紹介してくれるのに夢中で、もう30分になってしまいました。
今晩「ブルーノート」で良いライブがあるけど、どう?と誘って頂きました。残念ながら、6:00にスパの予約もしていますし、最後の夜ですから、又の機会ということで、断念いたしました。
ホテルまで、送って頂きましたが、もうご飯を食べる時間は全くありません。それでなくても遅れそうです。3:00に会うのは、やはり、セドフさんの友人で、大学で音楽の先生に教授法などを教えている方で作曲家でもあります。私が彼女の家まで行く約束になっています。途中までグレイラインのバスで行くとすぐのところのようなので、あわてて、バス乗り場に向かいます。すぐにバスが来ました。乗ろうとすると、「会社が違うけど、まあ、いいよ。」と言って乗せてくれました。助かりました。降りる際にチップを渡したのは言うまでもありません。
彼女の家から今度は一緒にリンカーンセンターの辺りまで歩くことにしました。リンカーンセンターでも市がたっており、多くの人が休日の午後をゆっくり散歩しながら楽しんでいるようでした。午前中の市よりは、ここの方が良い物を扱っていました。アンティークを扱っていたわけではあませんが、『シャレード』の蚤の市のような雰囲気があり、今にも男の子が切手をもって走り出しそうなそんな感じでした。
歩きながら、時には座って、彼女といろいろとNYの音楽界、特にクラシックを取り巻く状況などについて語り合います。例えば、東京では、どのホールでも1年中、何かやっていますし、クラシックだろうとオペラだろうとバレエだろうと、1年中どこかで何かやっています。私がNYに着いた晩にホテルのコンシェルジュでオペラはやっているか尋ねたところ「今は、シーズンではないので、何もやっていない。」と言われ、結構驚きました。NYはアートのパトロンも多い都市なので意外でしたが、クラシックのコンサートは本当に大変のようです。それこそ、パバロッティーのように名声を得るとすごいようですが、実力の違い以上に機会や収入に差があり過ぎるように思います。やはり、米国でも、企業のスポンサードはクラシックよりもポップス、音楽よりもスポーツのほうにウエートがおかれているようです。いかに多くの人に支持されるかの世界になるので、大衆化にならざるを得ません。一極集中になりますから、信じられないようなギャラもある一方、そこそこの方々に意外にチャンスがないというのは、最近の日本をみても言えることです。ハワイでも友達が言っていました。コンサートホールはあっても、クラシックを聞きに行く人は少ないし、悪循環で、あまりいいのもやっていないとか。
我々二人は同じような問題関心とテーマをもって、大いに語りあいました。彼女は、これから、博士論文を書くと言っていましたので、それを楽しみにしていましょう。
彼女とリンカーンセンターの近くで別れて、10分くらい時間の猶予がありそうだったので、「バーンズ&ノーブル」の店内をちょっとのぞきます。本当は時間があれば、ゆっくり本屋で過ごしたいところですが、もうスパの時間になりますので、セントラル・パークを横切って急いでホテルへと向かいます。
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